樹脂窓の寿命はどのくらい?長期的な使用は可能?
2025.03.16

長期間使用しているとボロボロになってしまうイメージのある樹脂窓ですが、実際はどうなのでしょう。
この記事では、そんな樹脂窓の寿命について解説していきます。
樹脂窓とは

樹脂窓とは、樹脂サッシ(塩化ビニル樹脂で作られた窓サッシ)を使用した断熱性の高い窓のことです。
近年、地球温暖化対策の一環として建物の省エネ化が進められており、窓の断熱性能が重要視されています。
そのため、従来主流だったアルミサッシに代わり、樹脂サッシの需要が高まっています。
実際に、2025年4月から新築住宅・非住宅への省エネ基準適合が義務化されることから、今後さらに普及が進むでしょう。
樹脂窓の特徴

樹脂窓に使用される塩化ビニル樹脂はプラスチックの一種で、加工しやすく建築資材や包装材など幅広い用途に使用されています。
この特性を活かした樹脂窓は、外気の影響を受けにくく、室内の温度を快適に保つ効果があります。
そのため、寒冷地を中心に普及が進んでおり、その普及率は韓国で80%、欧米でも60%以上です。
日本全体の普及率は7%と低いものの、北海道では約90%の住宅が採用しており、その断熱性能の高さが評価されています。
樹脂窓の寿命

樹脂窓の一般的な耐久年数は30〜50年程度とされており、頻繁なメンテナンスや交換の必要はありません。
ただし、長期間にわたって性能を維持するためには、紫外線による劣化を防ぐことが重要です。
特に、日当たりの良い南側は劣化しやすいため、専用の塗料で塗装することで寿命を延ばすことができます。
塗装には専門技術が必要なため、施工はプロに依頼するのがおすすめです。
塗料の耐用年数は5〜10年程度なので、定期的にメンテナンスを行うことで、樹脂サッシをより長く快適に使用できるでしょう。
樹脂窓のメリット

樹脂窓のメリットは何でしょう。
ここからは、樹脂窓のメリットについて解説していきます。
断熱性が高く快適な室内環境を実現
樹脂窓は、熱を伝えにくい塩化ビニル樹脂で作られているため、室内の温度を一定に保ちやすいのが特徴です。
窓の断熱性能が高まることで、冬は暖かく夏は涼しい快適な住環境を実現できます。
また、冷暖房の効率が向上するため、省エネ効果が期待でき電気代の節約にもつながります。
特に浴室の窓を樹脂窓にすると、急激な温度変化を抑え、ヒートショックのリスクを軽減することも可能です。
結露の発生を抑えカビやダニのリスクを低減
窓の結露は、室内外の温度差が原因で発生しますが、樹脂窓は熱を伝えにくいため温度差を小さくし結露の発生を抑えることができます。
結露が減ることで、カビやダニの発生リスクを低減し、室内環境の衛生を保つことが可能です。
また、木枠の腐食を防ぎ、建物の耐久性を維持する効果も期待できます。
窓ガラスの結露が気になる場合は、複層ガラスと組み合わせることで、さらに防ぐことが可能です。
高い防音性で静かな空間を確保
樹脂窓は気密性が高いため、外部の騒音を遮断しやすく、防音性能に優れています。
特に、交通量の多い道路沿いや住宅が密集しているエリアでは、外の音が入りにくくなるため静かな空間を確保できます。
さらに、室内の音漏れも防ぐことができるため、楽器の演奏や子どもの声が気になる場合にも効果的です。
豊富なデザインで住宅に合わせた選択が可能
樹脂サッシは加工や着色がしやすいため、デザインやカラーバリエーションが豊富です。
洋風・和風どちらの住宅にもなじむデザインが揃っており、好みに合わせて選ぶことができます。
また、引き違い窓だけでなく、外開き窓、すべり出し窓、上げ下げ窓など多様なスタイルに対応しているため、リビングや浴室など用途に応じて使い分けることが可能です。
YKK APの樹脂窓は環境にも配慮

YKK APの樹脂窓は、環境への配慮が随所に取り入れられています。
まず、使用されている塩化ビニル(PVC)は約60%が塩、約40%が石油でできており石油由来の樹脂と比べて資源の節約が可能です。
また、PVCは耐久性が高く、長期間使用できるため頻繁な交換が不要で廃棄物の削減にもつながります。
さらに、YKK APでは製造時に発生する樹脂の端材を粉砕し、リサイクルする取り組みを行っており資源を無駄にしません。
加えて、PVCは製造時のエネルギー消費量やCO2排出量が少なく、地球温暖化防止にも貢献します。
APW樹脂窓シリーズでは、無鉛樹脂素材が採用されており環境だけでなく健康面にも配慮されているのが特徴です。
まとめ
樹脂窓は、紫外線でボロボロになったり、長期的に使うと耐久性に心配があるイメージですが決してそんなことはありません。
メンテナンスをしっかりと行い使用していくことで、長期的に使用できるため耐久性で悩んでいる方は是非相談してみてはいかがでしょう。
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