マンションの大規模修繕は何年おき?どんな修繕が必要?

2025.05.10

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マンションの大規模修繕は、何年おきに行うべきなのでしょう。

この記事では、そんな大規模修繕の周期やどんな修繕が必要かについて解説していきます。

マンションの大規模修繕とは?

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マンションの大規模修繕とは、外壁や屋上、防水工事、共用設備など建物全体にわたる大がかりなメンテナンス工事のことです。

建物は時間の経過とともに少しずつ劣化していきます。

これは一戸建てもマンションも同じですが、マンションの場合は複数の世帯が暮らしているため部分的に修繕するよりも計画的に資金を積み立て、まとめて工事を行った方が効率的です。

たとえば、外壁のタイルが剥がれて落下すれば、見た目の問題だけでなく安全面でのリスクも生じます。

また、雨漏りや設備の不具合を放置してしまうと、建物全体の機能が損なわれるだけでなく資産価値の低下にもつながります。

そのため、マンションでは長期的な視点から修繕計画を立て、定期的な大規模修繕を行うことが安心・快適な暮らしを維持し建物の寿命や価値を守るうえで欠かせないのです。

マンションの大規模修繕の周期は?

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マンションの大規模修繕工事は、おおよそ12年に1度を目安に行われるのが一般的です。

これは、国土交通省の『長期修繕計画ガイドライン』に基づいた考え方であり、「建物の全体または複数の部位に対して行う大規模な計画修繕工事」と定義されています。

修繕周期の目安が12年とされている背景には、建物の性能を維持するだけでなく、時代に合わせて生活水準を向上させていく必要があるという考え方があります。

築年数の経過とともにバリアフリーや防犯性、断熱性などのニーズが高まり、求められる機能も変化していくためです。

また、2008年の建築基準法改正によって、外壁のタイルなど落下の危険がある仕上げ材には、10年ごとの全面打診調査が義務付けられました。

これに合わせて修繕計画を立てることで、調査と工事を一度に行い費用の効率化を図ることが可能です。

さらに、マンションの修繕計画は30年以上の長期スパンで考えることが重要です。

国土交通省の指針では、「大規模修繕工事が2回含まれる期間(=最低30年)」を計画期間の目安としています。

というのも、大規模修繕は回数を重ねるごとに工事内容が複雑になり、費用も増加する傾向にあるからです。

たとえば1回目は外壁や屋上の補修中心だった工事も、2回目になると設備の交換や性能アップを目的とした改良工事が必要になるケースもあります。

そのため、資金計画を含めた長期的な視野で修繕を見据えることが、マンションの快適な暮らしと資産価値の維持につながります。

マンションの大規模修繕の流れは?

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マンションの大規模修繕の流れは、どのような流れなのでしょう。

ここからは、そんなマンションの大規模修繕の流れについて解説していきます。

修繕委員会を立ち上げる

まずは理事会とは別に、修繕委員会を設置することからスタートします。

委員には理事のほか、一般の区分所有者からも希望者を募ると良いでしょう。

修繕委員会は、情報収集や方針の検討、住民への説明など工事全体をスムーズに進めるための中心的な役割を担います。

劣化診断を実施する

次に、建物の状態を客観的に把握するために、専門業者による劣化診断を行います。

外壁や屋上防水、配管など、目に見えない部分も含めて調査することで、必要な修繕箇所や優先順位が明確になるでしょう。

工事内容と予算を検討する

劣化診断の結果をもとに、修繕が必要な箇所と内容を検討します。

将来的なトラブルを防ぐためにも、必要な工事はしっかり盛り込みつつ、過剰な内容にならないようにバランスを取ることが重要です。

同時に、工事費用や修繕積立金との兼ね合いも確認し、無理のない予算計画を立てましょう。

施工会社を選定する

工事内容と予算が固まったら、施工会社の選定に入ります。

複数社から見積もりを取り、価格だけでなく過去の実績や担当者の対応、提案内容なども比較します。

選定には第三者の専門家(設計事務所やコンサルタント)を入れると、より中立的かつ安心して判断できるでしょう。

総会での承認を得る

施工会社が決まり、工事の概要が整った段階で、管理組合の総会にて正式な承認を得る必要があります。

総会では、工事の目的や内容、費用、スケジュールなどを住民にわかりやすく説明し、合意形成を図ります。

不安や疑問が出やすい段階なので、説明会を別途設けるのも有効です。

工事説明会を開く

総会で承認が得られた後は、工事の開始に向けて住民への説明会を実施します。

工事中の生活への影響(騒音、足場設置、ベランダの使用制限など)について具体的に説明し、住民の理解と協力を得ることが重要です。

丁寧な対応が、後々のトラブル防止にもつながるでしょう。

契約・着工・監理

説明会が終わり、全体の準備が整ったら、施工会社と正式に契約を結び、いよいよ工事がスタートします。

工事期間中は、進捗状況や品質を確認するために、定期的な報告を受けながら必要に応じて現場の確認を行います。

万が一のトラブルにも迅速に対応できる体制を整えておくと安心です。

まとめ

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マンションの大規模修繕は、おおよそ12年です。

長期的な目線も必要となるため、しっかりとした計画を立てられるとよいでしょう。

参考URL
マンション大規模修繕の周期の目安は12年!15年・18年に延長できる場合も|GMO

マンションの大規模修繕や改修に関する費用・期間・注意したいトラブルなどを解説|SUUMO

大規模修繕工事の流れと進め方!手順ごとのポイントや注意点も解説|株式会社さくら事務所

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