マンションのバリューアップ工事とは何?大規模修繕工事とは何が違う?

2026.01.21

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マンションのバリューアップ工事とは、どのような工事なのでしょう。

この記事では、そんなマンションのバリューアップ工事について解説していきます。

バリューアップ工事と大規模修繕工事の基本的な違い

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大規模修繕工事の役割

大規模修繕工事は、経年によって低下した建物性能を回復させるための工事です。

外壁の補修や防水工事、鉄部の塗装などが代表例で、建物を「使い続けられる状態に戻す」ことが主な目的となります。

言い換えると、竣工時の性能水準を大きく超えることは想定されておらず、あくまで維持管理の一環として位置づけられています。

バリューアップ工事の考え方

一方、バリューアップ工事は、時代の変化や居住者ニーズに合わせて、従来よりも高い機能や利便性を付加する工事です。

高齢化への対応や防犯性能の強化、省エネ化などを通じて、暮らしやすさと資産価値の向上を目指します。

実際の現場では両者を組み合わせることが多い

実務上、大規模修繕工事とバリューアップ工事は完全に切り分けられているわけではありません。

修繕工事のタイミングに合わせて、性能向上につながる工事を同時に実施するケースも多く見られます。

特に築年数が進み、居住者の年齢層が高くなっているマンションでは、バリューアップの視点を取り入れることで、長く安心して住める環境を整えることができます。

バリューアップ工事が必要とされる背景

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バリューアップ工事が注目される理由の一つが、居住者構成の変化です。

築20年以上のマンションでは、高齢者世帯の割合が増え、段差や階段の使いづらさ、防犯面への不安が顕在化しやすくなります。

また、オートロックや宅配ボックス、インターネット環境など、現在では標準的と考えられている設備が不足している場合、物件の評価が下がる要因にもなります。

マンションで実施される主なバリューアップ工事

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バリアフリー対応の強化

将来を見据えた対策として多いのが、共用部のバリアフリー化です。

段差の解消やスロープ設置、手すりの追加などを行うことで、高齢者だけでなく子育て世帯にとっても安全性が高まります。

防犯性能を高める工事

防犯対策は、マンション選びにおいて重視されやすい要素です。

オートロックの新設やモニター付きインターホンへの更新、防犯性能の高い玄関ドアやガラスへの交換などが代表的な工事となります。

なお、玄関ドアや窓は専用使用部分として扱われるため、長期修繕計画に含まれていないケースもあります。計画内容の確認が重要です。

災害への備えを強化する工事

地震や水害への対策も、重要なバリューアップの一つです。

旧耐震基準の建物では、耐震診断を行い、必要に応じて補強工事を検討します。

また、近年増えている水害対策として、機械室の配置見直しや浸水対策工事が行われることもあるでしょう。

省エネ性能の向上

断熱性の高いサッシや複層ガラスへの更新、遮熱塗料の採用、共用部照明のLED化など、省エネに関する工事も増えています。

光熱費の削減だけでなく、居住空間の快適性向上にもつながります。

将来コストを見据えた仕様変更

高耐久材料への切り替えや、防水仕様の見直しなどは、長期的な修繕費用を抑えるのに効果的です。

初期費用が増える場合でも、トータルコストで有利になるケースは少なくありません。

新しい設備の導入

宅配ボックスや集合ポスト、通信環境の整備など、生活利便性を高める設備もバリューアップ工事に含まれます。

居住者ニーズを把握したうえでの導入が重要です。

外観・共用部の印象改善

エントランスの改修や駐輪場の整理など、見た目の印象を整える工事は、物件の評価に直結します。

第一印象を改善することで、資産価値向上にもつながるでしょう。

バリューアップ工事を検討するタイミング

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多くのマンションでは、2回目以降の大規模修繕工事(築20〜30年前後)の時期に、バリューアップ工事を検討しています。

国の調査でも、2回目修繕の実施時期は築30年前後が平均とされています。

必ずしも同時施工である必要はありませんが、資金計画を含めて早めに検討しておくことが重要です。

バリューアップ工事を進める際の注意点

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バリューアップ工事は義務ではないため、費用面で意見が分かれることもあります。

そのため、まずは建物維持に不可欠な修繕工事を優先し、余裕がある範囲で段階的に導入する姿勢が大切です。

また、管理組合内だけで決定するのではなく、区分所有者の意見を丁寧に集約することが、合意形成のポイントになります。

まとめ

バリューアップ工事は、マンションの快適性を高めるだけでなく、長期的な資産価値維持にも寄与します。

修繕による「維持」と、バリューアップによる「向上」を組み合わせることで、時代に合ったマンション運営が可能です。

建物の特性や居住者構成を踏まえ、無理のない計画でバリューアップ工事を検討していきましょう。

参考URL
バリューアップ工事とは?大規模修繕と合わせて行いたい工事をご紹介 | 大規模修繕支援センター

バリューアップ工事とは?検討のタイミングや工事内容、注意点を紹介|株式会社さくら事務所

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