賃貸アパートの大規模修繕の時期は?
2025.12.14
賃貸アパートの大規模修繕の時期はいつなのでしょう。
この記事では、そんな賃貸アパートの大規模修繕の時期について解説していきます。
大規模修繕の時期は「築年数」だけでは決められない
賃貸アパートの修繕時期として、一般的には10〜15年で一度の大規模修繕が目安です。
しかし、実際には“築年数だけ”で判断すると誤ったタイミングになることがあります。
なぜなら、建物の劣化スピードは構造や仕上げ材、立地環境、日当たりなどによって大きく変わるからです。
木造アパートは屋根や外壁の劣化が早く、雨漏りが発生すると内部の柱まで痛めてしまうことがあります。
一方、鉄骨造やRC造は構造の耐久性が高いものの、外壁や防水が傷んでいても気づきにくく、気づいた時には補修範囲が広がっているケースもよくあります。
つまり、「築○年だからやる」ではなく、建物の状態を把握し、必要なタイミングで実施する状態基準の判断が大切なのです。
部位ごとの“修繕の目安年数”を知っておくと時期を見誤らない
大規模修繕は外壁や屋根など複数箇所の工事をまとめて行うため、部位ごとの寿命を知っておくことで判断がしやすくなります。
ここからは、部位ごとの目安について解説していきます。
外壁塗装(10〜12年)
チョーキング(壁を触ると白い粉がつく)は劣化のサインです。
放置すると外壁材自体に水が浸透し、さらに修繕費が跳ね上がります。
屋根(10〜15年)
屋根は最も紫外線の影響を受けるため劣化しやすい部分です。
特にスレート材は10年前後で点検が必要です。
防水工事(10〜12年)
屋上やバルコニーの防水層が劣化すると雨漏りにつながります。
わずかなひび割れも早めに対処しておくのが安心です。
これらの部位は寿命がバラバラですが、「まとめて工事した方がコストを抑えられる」ため、全体のバランスを考えて大規模修繕を行うケースが多いのです。
修繕時期は“入居率”にも強く影響する
賃貸アパートの大規模修繕は、単なる建物のメンテナンスではなく、収益に直結する投資として考える必要があります。
築10年を過ぎる頃から外観の古さが目立ちはじめ、新築や築浅物件に比べて見劣りしやすくなります。
外壁や屋根を整えるだけでも印象は大きく変わり、
・「見た目がきれいだから入居を決めた」
・「清潔感があるから安心して暮らせる」
といった理由で入居につながることは珍しくありません。
つまり大規模修繕は空室対策の一つでもあるのです。
修繕時期を誤るとコストが跳ね上がる理由
「まだ大丈夫そうだから」と修繕を先延ばしにするケースもありますが、これは長期的にはリスクが高い判断となります。
特に水に関わる劣化は進行が早く、一度進むと止めにくいのが特徴です。
外壁のひび割れや屋根の破損を放置すると、
・雨漏りが室内に拡大
・構造材の腐食
・カビ、劣化による室内の補修費増大
といった悪循環が起こります。
このような内部劣化は工事範囲が広くなるため費用が跳ね上がり、「早めに修繕しておけばよかった」ということがほとんどです。
日常的にできる“セルフチェック”で時期を把握しやすくなる
オーナー自身が日頃から確認できるポイントを把握しておくと、修繕時期を見逃しにくくなります。
ここからは、部位ごとのポイントについて解説していきます。
外壁
・色あせ
・チョーキング
・コーキングのひび割れ
・外壁材の反りや浮き
屋根
・塗膜の剥がれ
・スレート材の欠け
・棟板金の浮き
共用部
・鉄部のサビ
・階段の劣化
・手すりのぐらつき
これらの症状が複数見られる場合、大規模修繕の時期が近いサインとして考えられるでしょう。
最適な時期を判断するには専門家の診断が欠かせない
セルフチェックはあくまで“気づき”のためのものです。
本当の意味で修繕時期を見極めるには、建物診断(劣化診断)が最も有効です。
専門家による診断では、
・外壁の浮き
・防水層の劣化
・窓サッシ周りの雨水浸入
・鉄部の腐食の進行度
・ひび割れの深さ・危険度
などを細かくチェックし、「今すぐ修繕すべき箇所」「数年後で良い箇所」が明確になります。
不要な工事を避け、必要な工事だけに費用を集中できるため、結果的にコストを抑えられます。
大規模修繕は“経営戦略の一部”として計画的に行う
賃貸アパートの寿命を伸ばし、収益を安定させるためには、修繕のタイミングを事前に計画しておくことが重要です。
たとえば、
・築10年:診断+外壁点検
・築12〜15年:外壁・屋根・防水の大規模修繕
・築20年:設備更新の検討
といったように“節目の年”に合わせて計画を立てておくと、予算が組みやすく急な出費で困ることがありません。
さらに、計画的な修繕を行っている物件は金融機関からの評価も高まり、将来的に売却する際も有利に働きます。
まとめ
賃貸アパートの大規模修繕は、一般的に10〜15年がひとつの目安ですが最適なタイミングは建物の状態や環境、入居率などによって変わります。
・定期的な建物診断
・部位ごとの寿命の把握
・空室対策という視点
・放置した場合のリスク
これらを踏まえ、「築年数ではなく状態を基準にした判断」がもっとも失敗しない方法です。
大規模修繕は決して安い工事ではありませんが、適切な時期に行えば建物の寿命を延ばし収益を安定させ、物件価値を守る強力な投資になります。
「そろそろ時期かも」と感じたら、まずは専門家の診断を受けて最適なタイミングを見極めるところから始めてみてください。
参考URL賃貸アパートの大規模修繕はいつ何をすれば良い?費用相場も解説|ABLAZE PARTNERS
マンションの大規模修繕にかかる期間|修繕の流れや注意点まで解説!|マンションカルテ

