マンション大規模修繕のヒアリング会とは?

2025.08.10

画像出典元

マンション大規模修繕のヒアリング会とはどのようなものなのでしょう。

この記事では、そんなマンション大規模修繕のヒアリング会について解説していきます。

ヒアリング会とは何か

画像出典元

ヒアリング会とは、書類審査や見積比較で選ばれた2〜3社の施工会社に対し、プレゼンテーションと質疑応答を行ってもらう場です。

管理組合や修繕委員会が直接施工会社の担当者と顔を合わせ、工事内容や対応姿勢を比較することで最も信頼できる1社を内定します。

ヒアリング会の位置づけ

画像出典元

  • 一次選定(書類審査):会社概要・実績・資格・安全体制などを評価
  • 二次選定(見積比較):金額や仕様書の内容を比較
  • 三次選定(ヒアリング会):人柄・提案力・現場対応力を直接確認

ヒアリング会は、単なる最終確認ではなく、これまでの選定では見えなかった「人」の部分を見極める重要な機会です。

ヒアリング会の流れ

画像出典元

ヒアリング会は、1社あたり約1時間を目安に進行します。

  1. 会社プレゼン(約30分)
    • 会社概要
    • 工事計画・工程表
    • 現場管理体制
    • 居住者へのサポート(例:ベランダ不用品処分、部屋干し洗剤の配布)
    • アフターメンテナンス体制
  2. 質疑応答(約30分)
    • 現場代理人予定者と直接やり取り
    • 工事の進め方、トラブル時の対応、職人との連携方法などを確認

ここでの質問内容や相手の反応は、工事の成否に直結します。

ヒアリング会の重要性

画像出典元

大規模修繕工事は、数千万円規模の予算と1年以上に及ぶ工期がかかることも珍しくありません。

そのため、見積額の安さだけで判断するのは危険です。

特に重視すべきは現場代理人の資質です。

現場代理人は工事の司令塔として職人や協力会社の手配、工程管理、安全対策、住民対応まで担います。

経験や知識だけでなく、柔軟な対応力や人間性が工事の品質とスムーズさを左右します。

ヒアリング会を成功させるための事前準備

画像出典元

資料の事前確認

ヒアリングで使用する会社資料は必ず事前に入手し、目を通しておきましょう。

当日初めて資料を見ると、質問が思い浮かばず限られた時間を有効活用できません。

資料には以下のような情報が含まれます。

  1. 会社概要
  2. 施工実績
  3. 工事内容・工程表
  4. 品質管理体制
  5. 安全管理体制
  6. 現場代理人の経歴
  7. 住民サポート内容
  8. 保険・アフターサービス

現場代理人予定者の出席依頼

営業担当者だけでなく、必ず現場代理人予定者の出席を依頼しましょう。

採用後の代理人変更は、選定時の判断基準が覆るため原則禁止とする条件を設けるのが望ましいです。

共通質問の用意

すべての施工会社に同じ質問を5〜10項目用意し、回答を比較できるようにします。

これにより、感覚的な印象だけでなく具体的な差を明確に判断できます。

ヒアリング会で効果的な質問例

画像出典元

質問1:今回の工事で最も重視すべきポイントは何ですか?

現場代理人の優先順位の考え方や、施工計画への理解度を確認することが可能です。

質問2:同規模マンションでの施工経験と、その際の課題・対応策は?

経験値だけでなく、課題解決力やトラブル対応の姿勢が見えます。

質問3:職人とのコミュニケーション方法は?

職人の士気や工事品質を保つための工夫を確認できます。

外国人作業員がいる場合の対応力も重要です。

質問4:管理組合やコンサルタントとの連絡方法・頻度は?

工程通りに進まない場合や緊急対応の際の報告体制をチェックします。

質問5:御社を採用する最大のメリットは何ですか?

営業トークではなく、現場代理人自身の言葉で語れるかが判断基準です。

注意すべき談合リスク

画像出典元

大規模修繕では、稀にコンサルタントと施工会社の間で不正が行われるケースがあります。

以下のような状況は注意信号です。

  • コンサルタントが招いた特定の会社しか参加していない
  • 見積金額が極端に安い会社が1社だけ存在する
  • 他社の対応が不自然に消極的

談合が疑われる場合は、入札プロセスや選定方法を再検討すべきです。

ヒアリング会の進め方と評価方法

画像出典元

ヒアリング会の後は、理事会や修繕委員会で各社の評価をまとめます。

評価シートを活用し、金額・提案力・現場代理人の印象・過去実績などを総合的に点数化すると主観に偏らず判断することが可能です。

また、ヒアリング会を公開形式にして住民にも参加してもらえば、多角的な意見が集まり、合意形成がスムーズになります。

まとめ

ヒアリング会は、マンション大規模修繕における施工会社選びの最終関門です。

書類や見積ではわからない「人」の部分――特に現場代理人の資質を見極めることが、工事成功のカギとなります。

  • 資料の事前確認と質問準備
  • 現場代理人予定者の必須出席
  • 談合リスクへの警戒
  • 公開形式での住民参加

これらを徹底すれば、納得のいく施工会社選びが可能になります。

大規模修繕は10〜15年に一度の大事業です。

後悔しないためにも、ヒアリング会を「ただの儀式」にせず最も重要な意思決定の場として活用しましょう。

参考URL
大規模修繕工事のヒアリング会で施工会社に何を聞く?事前準備と注意点も紹介|株式会社さくら事務所

大規模修繕工事の施工会社はどうやって選ぶのか その3 ヒアリング|彩の国マンション管理センター

おすすめコラム記事

営業時間:平日 9:00~17:30