マンション大規模修繕でマンションの資産価値は上がる?
2025.09.10

マンション大規模修繕を行うとマンションの資産価値は上がるのでしょうか。
この記事では、そんなマンション大規模修繕で資産価値が上がるのかについて解説していきます。
マンション大規模修繕は資産価値を上げる?

マンションの資産価値は、大規模修繕の有無によって大きく変わります。
かつて不動産といえば土地を指し、建物は時間とともに劣化して価値が下がるものとされていました。
しかし近年では、鉄筋コンクリート造など耐久性の高い分譲マンションも、不動産として資産性が評価されています。
とはいえ土地と違い、マンションは放置すれば劣化が進み資産価値が下がってしまいます。
コンクリートのひび割れから鉄筋が錆びたり、外壁タイルの浮きが事故につながることもあるため、定期的な修繕が不可欠です。
外壁や屋上防水を中心に行う大規模修繕は、建物を安全で快適に保ち、長期的に価値を維持するための要です。
修繕が計画的に実施されているかどうかは、住む人の安心や将来の資産価値を大きく左右します。
大規模修繕工事で資産価値を高める方法

マンションの大規模修繕工事は、単に劣化部分を直すだけでなく「資産価値を高める投資」として考えることが可能です。
ここでは、修繕に加えて導入することで価値を上げられる代表的な改修工事を紹介します。
外観の美しさを守る外装改修
マンションの印象を決めるのは建物の外観です。
外壁の塗装を高耐久の塗料に変更することで、美観の維持だけでなく耐久性の向上も期待できます。
フッ素樹脂塗料や光触媒塗料、断熱・遮熱塗料などは耐用年数が長く、汚れに強いのが特徴です。
外観が清潔で整っているマンションは「管理が行き届いている」と評価され、入居希望者や購入希望者に安心感を与え資産価値を高めます。
快適な住環境をつくる断熱改修
居住性を高めるうえで有効なのが断熱性の改善です。
古いマンションでは単板ガラスのサッシが多く、冬は寒く夏は暑いといった問題が起きやすいです。
複層ガラスへの交換や断熱材の追加により、冷暖房効率が改善し、省エネ性や快適性が向上します。
結露防止にもつながり、健康面や建物の耐久性にも好影響をもたらします。
省エネ性能が重視される現代において、断熱改修は資産価値を高める大きなポイントです。
安心して暮らせる防犯改修
安全性は住まいの価値を測る重要な要素です。
オートロックの導入、モニター付きインターホンの設置、防犯カメラの追加、防犯ガラスへの交換などは犯罪抑止に効果的です。
防犯性の高いマンションはファミリー層や単身者からの需要が高く、売却や賃貸でも優位性を持つことができます。
暮らしの安心を確保することで、マンションのブランド価値を高められるのです。
高齢社会に対応するバリアフリー化
居住者の年齢層が上がるにつれて、バリアフリー設備の有無はマンション選びに大きな影響を与えます。
廊下や階段の手すり、エントランスのスロープ化、エレベーターの設置や改修などが代表的です。
これらの改修は高齢者だけでなく小さな子どもを持つ家庭にも喜ばれるため、幅広い層に選ばれるマンションとなります。
将来の需要を見越した改修は、長期的な資産価値維持に大きく貢献します。
地震に備える耐震改修
日本では地震リスクを無視できません。
特に1981年以前の旧耐震基準で建てられたマンションは、耐震診断と改修を検討すべきです。
耐震性を強化することで、建物自体の安全性を高めるだけでなく将来の売却や資産評価においても大きなプラス要素となります。
「安全に住めるマンション」という安心感は、他の改修以上に強い価値をもたらすのです。
マンション大規模修繕の注意点

大規模修繕工事では、建物を元の状態に戻す「修繕」が基本であり、利便性や快適性を高める「改修」は費用が高額になるため慎重な判断が必要です。
特にタワーマンションのように共用部分が多い建物では、わずかな改修でも修繕積立金を大きく圧迫する可能性があります。
積立金が不足すれば、本来優先すべき外壁や防水、配管などの劣化補修が後回しになり、結果的に建物全体の耐久性や安全性が損なわれる恐れもあります。
そのため、管理会社の提案をそのまま受け入れるのではなく、管理組合が主体的に資金計画や必要性を精査し、改修を実施すべきかどうかを判断することが欠かせません。
特に耐震補強など人命に関わる改修は優先度が高い一方で、その他の改修は余剰資金を活用し、段階的に進めるのが現実的です。
このように修繕と改修のバランスを取りながら計画を立てることで、無理なく資産価値を維持・向上させることが可能となります。
まとめ

大規模修繕工事は本来「元の状態に戻す」ことが目的ですが、そこに「改修」を加えることで資産価値をさらに高めることができます。
外観の美化、断熱による快適性、省エネ性能、防犯性の強化、バリアフリー対応、耐震補強――いずれも現代のマンションに求められる要素です。
修繕を「コスト」と考えるのではなく「未来への投資」と捉え、計画的に改修を進めていくことが資産価値を長期的に守り、向上させる秘訣です。
参考URL大規模修繕とマンションの資産価値の関係!資産価値を維持するために大切なこと|マンション大規模修繕公募サイト
大規模修繕工事で資産価値は上がる?|管理組合サポート