日本の住宅性能は先進国でも低いレベル?

2024.12.30

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日本の住宅性能先進国でも低いレベルと言われています。

この記事では、そんな住宅性能の中でも特に窓へスポットを当てて解説していきます。

なぜ日本の省エネ住宅はレベルが低いと言われている?

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日本の住宅が省エネルギー性能において先進国の中で低レベルと言われるのはなぜでしょう。

ここからは、その理由について解説していきます。

省エネ基準の未義務化

日本の「次世代省エネルギー基準」は1992年を最後に改正が行われておらず、その基準自体が古い上に義務化されていません。

そのため、建築業界の多くがこの基準を任意のものとして扱い、コスト削減のために断熱性能を軽視する場合があります。

一方、多くの先進国では、新築住宅や改築時に断熱性能を義務化しており高い省エネ性能を実現する仕組みが整っています。

業界の対応力不足と義務化への慎重姿勢

日本では、省エネ基準に対応するための知識や技術を持つ事業者が十分に育成されていないことや義務化による業界の混乱を懸念する声が根強いことが課題です。

この結果、省エネ基準の義務化が見送られ基準を守らない建売住宅が市場に出回ることもあります。

国際的な基準との遅れ

ドイツを例にとると、1977年から「断熱政令」により新築住宅の省エネ性能が義務化され、その後も段階的に基準が強化されています。

日本の現在の基準は、ドイツで20年以上前に採用されていた基準とほぼ同等の水準に留まっており国際的な遅れが顕著です。

断熱性の重要性の認識不足

日本では、住宅の断熱性が快適な居住環境やエネルギー消費削減に与える影響が十分に認識されていない傾向があります。

これに対し、寒冷地の多いヨーロッパ諸国では、断熱性が生活の質やエネルギー効率に直結するため早い段階から政策として重視されています。

断熱性を高める窓はどのような効果があるのか

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日本の住宅は、断熱性が低いのが世界から遅れているとされるひとつの理由と言えるでしょう。

ここらは、そんな住宅の断熱性を高める窓の効果について解説していきます。

熱の出入りが抑えられる

断熱窓は、冬には室内の熱が外へ逃げるのを防ぎ夏には外からの熱が室内に侵入するのを抑えることが可能です。

例えば、アルミフレーム(複層ガラス)の場合、窓からの熱の出入りが冬で50%、夏で74%と非常に大きな割合となります。

断熱窓を設置することで、寒い冬も暑い夏も快適に過ごすことができエアコンや暖房器具への依存度を下げることが可能です。

光熱費の節約

断熱窓により冷暖房の効率が向上することで、エネルギー消費を抑えられ光熱費を削減できます。

初期投資として断熱窓の購入・設置に費用がかかったとしても、長期的には光熱費の節約により費用を回収できるケースが多いです。

結露の低減

結露は窓ガラスの温度差によって発生しますが、断熱窓を使用すると窓表面の温度差が小さくなり結露が起こりにくくなります。

結露が発生しないことで、カビやダニの発生リスクも低下し室内の衛生環境が改善されます。

ヒートショックの防止

冬場の暖かい室内から寒い浴室やトイレへ移動する際の急激な温度変化(ヒートショック)は、特に高齢者にとって危険です。

断熱窓によって室内全体の温度差を抑えることで、ヒートショックのリスクを軽減することができます。

環境負担の軽減

断熱窓は、エネルギー消費を削減するため二酸化炭素(CO2)の排出量も減らすことが可能です。

これにより、地球温暖化対策や脱炭素社会の実現に貢献します。

持続可能な社会を目指すSDGsの観点からも、断熱窓は非常に有効な取り組みといえます。

断熱性の高い窓にする方法は?

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断熱性の高い窓にする方法はどのようなものでしょう。

ここからは、そんな断熱性の高い窓にする方法について解説していきます。

断熱性の高いガラスへの交換

単板ガラスを複層ガラスやLow-E複層ガラスに交換すると、空気層や特殊な金属膜によって熱の出入りを大幅に抑えることが可能です。

さらに、トリプルガラスやアルゴンガス封入型を選べば、より高い断熱性能が得られます。

性能とコストのバランスを考えながら選択しましょう。

断熱性の高い窓への交換

既存のアルミサッシを樹脂製サッシに交換することで断熱性が向上します。

工法には、外壁を工事する「はつり工法」と既存の窓枠の上から新しい窓を取り付ける「カバー工法」があります。

カバー工法は短期間で工事が可能なため費用を抑えたい場合におすすめです。

内窓(二重窓)の設置

既存の窓の内側に新しい窓を取り付ける方法で、断熱性の向上に加え防音や防犯効果も期待できます。

既存の窓をそのまま活かせるため工事が簡単で、マンションなどでも設置可能なケースが多いのが特徴です。

これらの方法を組み合わせることで、快適な室内環境と省エネ効果を実現できます。

まとめ

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断熱窓は、快適な室内環境を提供し健康リスクの低減やエネルギー節約を可能にします。

また、環境保護への貢献も大きくSDGs達成に向けた取り組みとしても注目されています。

家庭の快適性と環境保護の両立のため、断熱窓を考えてみてはいかがでしょう。

参考URL
住宅性能は先進国で最低レベル 遅れている日本の省エネ対策|RICOH

建築物省エネ法の改正は断熱性能の高い住宅の普及に貢献するのか ~ 時事解説|LIFULL HOME’S

窓の断熱がもたらす効果とは?|YKK AP

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